FX上位足と下位足どちらを優先するかが分かれば相場はもっと楽しくなる
1時間足長く続いてきたレンジのようなもみ合いをズバッと抜けてきた。
じゃあ、まずは戻しから売ってやればいい。動画でいつも言っている通り。
売りが強いんだから下からじゃなく、戻しを待って売ればいい。
勉強会のメンバーもしっかりはいっているところ。
ところがここで、買いをしているメンバーが勉強会にいました。
実際に買って損切りをしてしまったそうです。
話を聞いてみると、あっなるほどそう見ていたんだって思ったわけですが、なんだかこの人ちょっとズレている。
同じ買いをして、実は取れている人もいる。
何が違うのか。FX学習者がハマりがちなポイントを今回はできるだけわかりやすく解説していきます。
目線の軸がブレる人には参考になるはずですので是非最後まで見てみてください
- 上位足と下位足の関係性を考える。Aさんの考え方
- 上位足と下位足の方向性が違うなら先ずは1時間足を優先する。Bさんの考え方
- シナリオに基づいてルールに合致したらエントリーを行う
- 未来の相場は上位足の通り上昇したがトレーダーに大切なのは事実の確認の積み重ね
上位足と下位足の関係性を考える。Aさんの考え方
今回は、ここで買いを考えて損切りしてしまった人と、売りで考えていた人のやり取りからこの相場をどう見たら良かったか考えてみます。
テーマは、上位足4時間足と下位足1時間足どっちを見ているか。
勉強会の生徒同士のディスカッションではこんな感じの会話をしています。では、行ってみましょう。
4時間足の方向性
まずは、4時間足。
買いをしたAさんの考え。
全体では上昇トレンド。前回止められた付近を抜けてきたが、何度か頭を抑えられるような形。
ただし、全体では上昇の動きで、高値を更新した安値付近も割ってきておらず下がってきたら買っていきたい場面。
4時間足としては1時間足の動きを見ながら買えそうなら買っていきたいです。
これには、売りをしたBさんも、頷く。
下がってきたら買いたいと言うのはそうですね。と。
ただ、具体的にどこらへんまで下げるかと言うと前回上昇した付近というのもどの辺りかと言うと若干空白あるので下位時間足を見ていかないとスグには買えなさそうですね。と。
1時間足の値動きを重視していない可能性
続いて1時間足。
買いをしたAさんの考え。
直近は上昇してきました。そこから3回抑えられて下げてきました。
この付近はレンジのような動きをしていましたが、底値圏を割って下がってきました。
しかし、4時間足でも見た上昇の起点を割っておらず、調整派として考えるなら買いやすい付近まで落ちてきたので、下がらないなら買いたいと思いました。
この付近は、ちょっとローソクを小さくしますが、直近の上昇の波のフィボナッチリトレースメント38.2もあり、この辺で下げ止まりが確認できたら買おうと思いました。
ここで、ストーップ!
このAさんの考えのどこがおかしいか。
Aさんの考えは4時間足では上昇中で、1時間足は調整波のような形で下がってきたので下げ止まりがあれば買っていきたい。
しかも、波の途中から引いたリトレースメントの38.2もあり、ちょうど押し目候補付近にも見える。しかもこのあたりは直近の上昇の起点でもあった。
みなさんなら、どう考えますか?
上位足と下位足の方向性が違うなら先ずは1時間足を優先する。Bさんの考え方
Bさんの見方は違いました。
Bさんは、この場面、売りしか考えていませんでした。
それはAさんの説明した2つの根拠がいずれもまだ信用出来ないと考えたからです。
まず1つ目。
1h足のレンジに対する考え方
レンジに対する捉え方。
Aさんはレンジのようなこの場面を割ってきたが、まだ安値もあるのでこういうレンジのようなイメージで捉えていましたがBさんは違いました。
なぜなら、あくまでもレンジとしてみていたのは、このエリアであり、割ってきたのであれば素直に売りが強いと見ていたからです。
過去に上昇した付近は確かにありますが、それよりも、まずは、この辺りで本当は止まりたかったはずなのに抜けてきた事実を優先しています。
そして2つ目。
1hフィボナッチリトレースメントに対する考え方
そして2つ目。
フィボナッチリトレースメントについて。
AさんはFR38.2がここにあると言いましたが、このライン、既に画面から大きくはみ出してしまっています。
つまり、このサイズのリトレースメントは1時間足レベルでは無いということ。むしろ4時間レベルのリトレースメントです。
4時間足を再度見てみますが、既に下から引いたリトレースメントがあります。
勉強会では波の途中で引くことはありますが、どこにでも多用するわけではありません。
波の途中で使う場合は、エリオット波動を見るときですね。
であれば、このリトレースメント、参考レベルのため、これを根拠にするのは弱いというわけです。
しかも届いてもいない。
これでは、根拠にするには不十分というわけです。
つまり、Bさんの考えはこうです。
上位足と動きが違うなら下位足(1時間足)の直近の値動きを先ずは考える
4時間足は全体的には買いの目線だが伸びた先の方で何度も止められている。ということは買える形になるまでは様子を見たい。
1時間足では何度も止められた下限域を割って売りの勢いが強くなってきている。
であれば戻したら売っていきたい。前回止められた付近も抜けていくようなら売りの勢いが更に強くなるので戻しからも売っていきたい。
どうですか。
全然見え方が違いますね。
Aさんは、4時間足の押し目買いを意識するあまり、直近の安値を割ってきた事実よりも、下がってきたことで買いやすくなったという点を重視しました。
しかし、
Bさんは、1時間足の値動きを先ずは優先してそれについていく事を選択しました。
なぜなら、Bさんはデイトレーダーであり、まだ来ていない上昇ではなく、実際に下がった事実についていくことを優先したからです。
シナリオに基づいてルールに合致したらエントリーを行う
じゃあ、この場面、買ったらダメだったのかというと、先生の矢印もついておらず推奨ではありませんでした。
ただし、Aさんのようなシナリオを仮に立てているのであれば5分足の挙動をみて買っていくのはありだと思います。
シナリオに基づいてルールに合致するのであればエントリーする事自体は間違いではないからです。
じゃあ、どこまでか。
当然、いつものあれですよね?
そう、フィボナッチリトレースメント。
5分足。
直近の下降にフィボナッチリトレースメントを当ててみました。
いつものとおりですね。38.2付近まで上昇してきたら売っていきたい。
その付近までを取るような短期的なトレードとして、できるだけ下の方から下がらないことを確認してちょっと買ってみるのはありかもしれません。
もし買う場合、ここ完全に逆張りですから、利確は当然伸びた先のここ。
FR38.2ですよね。
冒頭のAさん、何をしていたかと言うと、38.2でグイッと上昇したのを見て、もう少し上を期待してしまったんですね。結果落ちていってから損切り。
そして、売りを考えていた人から見ればここからが本番。
売るなら、いつもの3度めの正直。ラインを引いて上がらないことを確認してから売っていけばいい。
未来の相場は上位足の通り上昇したがトレーダーに大切なのは事実の確認の積み重ね
既に終わった相場なので未来が見えています。
結果的にはAさんの考えていた付近で下げ止まって上昇していきました。
ではAさんが正しかったのでしょうか?
そうでは、無いです。
勉強会の参加者同士で話していても、ここで抜けていく可能性はあったと考えていた人が多かったです。
なので、この辺りで売っていた人は多かったポイントでもありました。
しかし、多くの人の期待を裏切って上に抜けていったことでより強い上昇が生まれたと考えます。
じゃあ、ここで買って一番上まで持っていたら良かったのか?
それも違いますね。デイトレーダーは事実に基づいてトレードを行います。
実際にV字で戻したことを確認してからこの辺りで買いを考えていけば良いだけです。また機会があればこの辺りも動画にしてみたいと思います。
最後まで見てくださった方は勉強熱心な方だと思いますので、ネタバレ。
お気づきの通り、Aさんは僕ですね。
FX勉強会の座談会では、毎日のように生徒同士でのトレード報告や検証を行っています。
僕自身もまた、先生から学ぶことはもちろんの事、勝っている先輩トレーダー、勝ちトレーダーを目指す仲間と一緒に勉強を続けています。
学習を続けていると、途中途中で自分で小さな気づきがあり、そこから本来のトレードと逸脱していってしまうことが度々あります。
同じ手法を使って一緒に勉強できる仲間がいるというのは本当に心強いと感じます。
今回はその中での学びを共有させていただきました。
なかなかうまく行かず焦ることもありますが、諦めずにFXの勉強続けていきましょう。
それでは。